【遺言を紛失】公正証書遺言作成の手順と必要な書類を司法書士が解説!
当相談窓口には日々相続に関わる多くのご相談をいただきます。
その中でも生前対策として遺言を作成したいという方や以前書いた遺言の内容についてご相談いただくことも多くございます。
ここでは相続発生時に以前書いた遺言が見つからないというご相談について解説します。
目次
ご相談時の状況
お客様から長年相続登記を行っていない不動産があり、今後のためにも相続人名義に所有権移転登記を行って欲しいとの相談がありました。
相続登記の参考資料をお持ち頂き、お話を伺ったところ、亡くなった方が公正証書遺言を作成している可能性があることが分かりましたが、相談者の方のお手元には公正証書遺言は無く、どこにあるかも分からないとのことでした。
司法書士法人なすの事務所に相談、依頼した結果
今回の事例では、亡くなった方が公正証書遺言を作成した可能性のある公証役場に、遺言の有無を確認する「遺言書の検索」を行いました。
その結果、亡くなった方が作成した公正証書遺言の存在が明らかになり、公正証書遺言の再発行の手続きを行い、無事相続登記申請を行う事ができました。
相続登記に必要となる書類は、取得手続きも複雑で、一般の方が取得される場合、長い期間が掛かってしまうことも珍しくありません。相続の専門家である司法書士にご依頼頂ければ、そのような手続きも司法書士が代わりに行う事ができるためスムーズに手続きを進めることができます。
司法書士による解説
そもそも公正証書遺言とは?
公正証書遺言とは、公証人が遺言者の口述をもとに、遺言書を作成し、その原本を公証人が保管するもので、安全で確実な遺言書であることは間違いありません。
口述の際には、2名以上の証人立会いが必要です。
公証人が作成した遺言書に、遺言者、証人、公証人が署名押印すれば、公正証書として認められます。
遺言を公正証書で作成するってどういうこと?
わざわざ遺言書を公正証書で作成する意味合いとしては、第三者である『公証人』が作成することで、公文書として扱われることにあります。
相続発生後に遺産分割が整いそうにないような場合に、遺言を公正証書で作成しておくことで、文書の真正を担保することができます。
また、紛争の可能性が少ない家族構成であったとしても、公正証書の遺言で予め遺産の分け方を確定しておくことで、紛争予防としての効果も発揮します。
もし自筆証書で遺言を作成しておいたとしても、それが本当に遺言者本人の真意であるかどうか疑った相続人が争いを起こすことも想定されますので、公文書として作成された公正証書遺言は絶対的に「強い」のです。
公正証書では本人の意思能力が争点となりにくい
遺言書が残された遺産相続の紛争事案の多くは、「遺言作成当時の意思能力」が問題となります。しかし、もしその遺言書が公証人及び証人2名の立会いのもと正式に作られた公正証書であるなら、あえて意思能力で争うことは考えないはずです。
たとえいま現時点で仲が良い兄弟だとしても、相続発生時に揉める可能性は0とは言えないと思います。余計な争いを防ぐ目的としても公正証書で遺言を作る意味合いは非常に大きいのではないでしょうか。
公正証書遺言のメリット、デメリット
ここで、公正証書遺言のメリットデメリットをまとめてみます。
公正証書遺言のメリット
公正証書遺言の作成を望む方の公正証書遺言を選択された一番の理由は遺言の有効性にあると言えます。公正証書遺言は公証役場で公証人によって作成されるため要件不備で遺言自体が無効になることは通常考えられません。
自筆証書遺言や秘密証書遺言は遺言作成者が遺言の不備に気付かないまま作成されてしまい、わざわざ作成した遺言が無効になってしまう恐れがあります。
他にも公正証書遺言のように公証人や証人のような第三者が作成に関与しない為、推定相続人の詐欺や強迫等の遺言作成者の真意でない遺言が作成されてしまう可能性もあります。
また、公正証書遺言は遺言作成者の死後、家庭裁判所による遺言の検認作業が省略されます。検認とは遺言が形式的に有効に作成されているかの調査のこといいます。
自筆証書遺言(法務局保管を除く)では検認作業を省略できませんので、相続手続きにおいて若干ですが余計な手間が発生します。
このように公正証書遺言は確実に遺言を残したいときに効果を発揮します。また公証役場で管理されますので遺失や破棄、発見されないというような心配もありません。
公正証書遺言のデメリット
逆に公正証書遺言のデメリットは、先述したように公証人や証人に自分の財産を公表しなくていけません。
また、公証人、証人に手数料、報酬を払う必要がありますし、財産内容の調査、書類収集等、自筆証書遺言より作成に手間がかかりますし、時間もかかります。
そういった心配より確実に有効な遺言を作成したい方は公正証書遺言を選択すべきでしょう。
公正証書遺言の作成の流れ5つ
まずは、公正証書遺言を作成するまでの大まかな流れをご案内します。
公正証書遺言の作成の流れ
①遺言書の原案作成
②必要書類の準備
③公証役場への原案と必要書類の提出(予約)
④公証人との打ち合わせ
⑤公正証書遺言の作成日当日
この5ステップが必要な段取りです。順に確認をしていきましょう。
①遺言書の原案作成
遺言書の原案は公証役場が考えてくれるものではありませんので、自分で作らなければいけません。誰に、どの財産を相続させるのか、慎重に考えて原案を作ってください。もし遺言書の原案の作り方がわからないということであれば、最初の段階から司法書士や行政書士といった専門家に依頼されることをお勧めします。
②必要書類の準備
原案作成と並行して、必要書類の準備も進めていきましょう。遺言者本人の印鑑証明書・財産資料・身分証・戸籍謄本。それに財産を渡す相手の戸籍謄本や住民票が必要になります。
③公証役場への原案と必要書類の提出(予約)
遺言書の原案と必要書類の準備ができたら、公証役場へ提出をします。全て不備なく準備することができたこの段階でようやく作成日の予約が取れるようになります。
④公証人との打ち合わせ
公証役場との遺言書案の打合せが必要なので期間的には2週間〜1ヶ月程度の余裕はほしいところです。実は、この遺言書案の打合せが重要で、遺言書に記載する財産は正確なもので、かつ財産の特定が容易な内容でなければいけません。
なので、不動産については登記簿謄本を、預金口座については通帳コピーを、またそれぞれの相続財産の価格を証明すべきもの(不動産であれば役所で取得する固定資産税評価証明書など)も要求されますので、ある程度の時間をかけて公証人と打合せを行っていきます。
⑤公正証書遺言の作成日当日
公証役場と遺言書案の調整を重ねながら日程を決めて証人2人と公証役場へ向かい、公証人立会いのもと作成手続きが進められていきます。公証人手数料はこのときに現金で持参するようにします。
前述したように、遺言者本人が公証役場へ行くことができない場合は、公証人に出張で来てもらうことができます。ただし、出張に消極的な公証役場もありますので、事前にご相談をされてください。
公正証書遺言作成の必要書類
必要書類は以下の通りです。
※ただし、事案により更に書類が必要になる場合があります。
・遺言作成者本人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
・遺言作成者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
・相続人以外の人に遺贈する場合は、その人の住民票
・財産資料一式
※預貯金の場合は、通帳など。
※株式の場合は、取引残高報告書など。
※不動産の場合は登記事項証明書と固定資産税の課税明細書など。
公証役場によって必要書類が若干異なるようなので、事前に確認をされた方がいいと思います。
公正証書遺言の作成は当事務所へご相談ください!
遺言書作成や相続手続き、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。
当事務所の司法書士が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。
予約受付専用ダイヤルは028-638-5020になります。
お気軽にご相談ください。